
抗うつ剤セロトニンに依存しながら、職と恋人を捨て過去をたどり直す中年男の独白。現代ヨーロッパの倦怠と孤独を、乾いた皮肉と告白の声で綴る長編小説。表紙には、顔を覆い隠すように腕を交差させた人物の写真に、絵の具の厚い刷毛跡が重なる。オリーブグリーンと土の色が画面を沈ませ、白い細身の和欧混植タイトルだけが静かに立ち上がる。隠された顔と、生々しい腕の皮膚。塗り潰しても消えない身体が、薬で均された心の裏側を覗かせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論