
姉の結婚式という同じ場に集った人々の、それぞれの「残りもの」のような過去を辿る連作短篇。淡い水色を背景に、三段のウェディングケーキが画面いっぱいに据えられ、頂上には新郎新婦の人形、各段のふちには黄色いリボンと小さな薔薇、そしてケーキの周囲には和装の女性、スーツ姿の男、子ども、寄り添う夫婦といったミニチュアの人物が点在する。タイトルは右上に手書き調の和文で置かれ、左には筆記体の英題が縦に流れる。祝祭の真ん中に小さく散らばる人影が、晴れの日の裏側にある各々の時間を静かに浮かび上がらせる。
著LoftingHugh、福岡伸一
装丁新潮社装幀室
装画ヒュー+ロフティング
新潮社 / 2019年
文学・評論