
哲学を専門とする著者が、自身の半生と思考の道筋を辿りながら「絶望からの脱出」を語る一冊。考え抜くことの面白さを、平易な言葉で読者に手渡そうとする入門書でもある。表紙は鮮やかなピンクのシルエットで、帽子をかぶり頬杖をつく人物像が大きく描かれ、胸の位置に置かれた手のひらだけが濃いピンクで浮かび上がる。黒い明朝の主題と細い副題、下半分を占める白い帯の引用文が、画面に静かなコントラストを与えている。色面の軽やかさと佇まいの思索性が、絶望と希望を行き来する本書の主題を穏やかに映し出している。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論