文学・評論
百年後 嵐のように恋がしたいとあなたは言い 実際嵐になった すべてがこわれわたしたちはそれを見た
野村日魚子
嵐のように恋がしたい」と願い、実際に嵐になってすべてが壊れたのを見た——そんな一文をそのまま冠した長い書名が、本書の主題を端的に告げている。淡い黄色の地に、青いペン線で描かれた手のひら、五弁の小花、雨を思わせる細かな縦線が表紙の四方をぐるりと縁取り、中央には縦書きの書名が静かに置かれる。素朴な線描と余白の多い構図が、嵐の予兆とそのあとの静けさをともに抱きとめ、書名のうちにある激しさをやわらかく受けとめている。