
探偵の流儀」シリーズの第二作にあたるミステリ。森笠邸を舞台にした事件を、探偵が独自の流儀で読み解いていく一冊だ。表紙は深い緑に沈む森と赤茶けた地面を背景に、三人の人物が立つ漫画的なイラストで構成される。手描きの筆致で白く抜かれた和文タイトル、画面上部に泳ぐように配された英題、それぞれ視線の交わらない人物配置。風に流される髪と俯き加減のポーズが、関係者たちの間にある距離と思惑のすれ違いを、静かに画面のうちへ閉じ込めている。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論