
ひとりでいることに不安を抱える人たちへ向けた児童文学。親友はつくるものではなく、たぶん出会うもの——というやわらかな声で、人と人の距離を見つめ直す。表紙はやさしい水彩。寝そべってカップを挟み向かい合うふたりの子どもが、淡い黄色の光の中に置かれ、縞や三角、星といった衣服や敷物の文様がそれぞれの個性をさりげなく示す。手書き調のタイトル文字も含めて、近すぎず遠すぎない距離感が、一枚の絵のなかに静かに編まれている。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論