
死の先にもうひとつの世界があるとしたら——少年が「向こう側」で目覚めるところから始まる物語の下巻。記憶と現実、夢と覚醒のあわいを揺れる主人公の問いかけが、上巻からの謎を引き取って結末へと向かう。表紙では青灰の薄闇のなか、片手で顔の半分を覆う少年が描かれ、指の隙間から覗く瞳と差し込む淡い光が不安と希望を同時ににじませる。背景には砕けたガラスのような断片が漂い、白く抜かれた手書き風のタイトル文字が、ひび割れた世界に残る声のように静かに置かれている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論