
料理という営みを「火・水・空気・土」の四元素に重ねて辿る文化史の上巻。火を用いた調理を軸に、調理という行為が人間をいかに形づくってきたかを論じる。表紙はオレンジの地色を背景に、両手鍋・吊り下げた肉・薪のような積み重ねが手描き風のタッチで配される。素朴な版画的質感と、白抜きで横たわる原題「COOKED」の細い欧文書体が、原始的な熱の気配と書物としての静けさを同居させている。火を囲む営みの記憶を、紙面の上で静かに灯すような一冊。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論