
平屋に暮らす青年と、その周囲の人々のささやかな時間を描く人気シリーズの第4巻。今巻も、誰かの「日常」がそのまま物語になっていく穏やかな筆致が続く。表紙は水彩で描かれた室内のひと場面。鉢巻きを締めて机に向かう人物と、丼を運ぶもう一人の人物、壁を彩るイラストやガーランド、筆立て、インク瓶までが細やかに塗り重ねられ、生活の温度がそのまま画面に残る。タイトルロゴは手描きのひらがなで、絵の柔らかさにそっと寄り添う。暮らしの中で生まれる創作の時間を、装画と書体の両方でやさしく差し出す一冊。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論