
古道具屋を営む店主による私小説。店先で交わされる人と物のやり取り、金と汗にまみれた商いの日々を、飾らない筆致で綴る。表紙は店内を捉えた一枚の写真。福々しい木彫りの像、赤いクラシックカーの模型、吊り下げ照明、ガラス器や額装が雑然と並ぶ棚を、黄色味を帯びた灯りが包んでいる。下半分は白地に大ぶりの明朝で書名を縦組みし、両脇に小さく推薦文と惹句を添える。雑然と並ぶ物の気配と、それを律する文字組みの対比が、この本の手触りを予感させる。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論