
1974年、高度成長期の只中で繰り広げられる人間ドラマを描いた長編小説。表紙は建設途上の都市を線描のスケッチで広く捉え、中央に大型クレーンを据えて時代の熱を可視化する。手描きの細い黒線が淡くにじむ街並みの上に、鮮やかな山吹色のクレーンと、同じ黄色で力強く配されたタイトル文字が重なり、邦題・欧文・著者名がレイヤーのように積層する。線の繊細さと色面の強さの対比が、過ぎ去った時代を現在から見つめ直す視線そのものを形にしている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論