
将棋に魅入られた人々の物語を、七つの視点から束ねた連作短編集。プロを志す中学生、引退間際の棋士、将棋会館の清掃員——それぞれの人生が盤上の一手と重なる。カバーは水色と黄色のブロックで画面を区切り、駒を構える少年、眼鏡の少女、伏し目がちな少年を淡い水彩タッチで配する。中央には「將」の駒が一枚据えられ、線の細い描線と余白が、緊張と静けさを同居させる。タイトルの黒い明朝が、抑えた色面の上に駒音のような重みを落としている。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論