
ソウルの片隅にあるちいさなコンビニを舞台に、訳ありの店員と常連客たちが少しずつ心をほどいていく韓国小説の翻訳。深い夜の街を俯瞰した装画が表紙いっぱいに広がり、暗いビル群の谷間にコンビニの白い灯りだけが浮かび上がる。灯火の前に立つ人影は小さく、原題の銭湯の看板や落ち葉の赤が淡くアクセントを添える。タイトルは蛍光イエローの大ぶりな明朝で縦に置かれ、闇のなかの光と呼応する。不便さの先にともる、つつましい灯りの物語であることが一目で伝わる一冊。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論