
校正者として「文にあたる」という仕事と向き合ってきた著者が、本や言葉、それを扱う日々の手つきについて綴ったエッセイ集。書物を愛するすべての人に向けた、初の単著である。生成り色のカバーには、罫線をうっすらと敷いた原稿用紙の上に、横向きの鉛筆が一本。タイトルは細い枠で囲まれ、余白を大きくとった構成が、文字と向き合うときの静けさをそのまま紙面に置き換えたようだ。書くこと、読むこと、その手前で言葉に立ち止まる仕事の輪郭が、装丁の簡素さからも伝わってくる。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論