山崎ナオコーラが文豪26人の墓を訪ね歩いた散歩エッセイ。作家の足跡を追いながら、彼らがどのように生き、何を食べ、誰と語らったのかを現代の視点で辿っていく一冊である。上半分は黒地に明朝体で大きくタイトルを抜き、下半分にはちゃぶ台を囲む二人の男性のイラストを配する。眼鏡にベスト姿の人物と和装の人物、卓上にはすき焼きらしき鍋と小鉢が丁寧に描かれ、線の柔らかさと抑えた色面が穏やかな食卓の空気を立ち上げる。黒の余白に置かれた白い書名と、人物画の淡い温度差が、過去と現在をつなぐ訪問記の距離感をそのまま体現している。