
人類学を「他者とともに学ぶこと」として捉え直す、英国の人類学者による入門的思考の書。原題は Anthropic, Why It Matters。淡いグレーの地に、青の細線で描かれた森と人々の細密なイラストが画面のほぼ全面を覆い、その上にタイトルと副題の白い帯が二段に渡って静かに置かれる。木々のあいだに小さく潜む人影が、観察される対象ではなく共に在る存在として浮かび上がる構図は、人類学の眼差しそのものを表すようで、書名と装丁が穏やかに呼応している。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論