
内戦下のスリランカを舞台に、死後の世界から自らの死の真相を追う写真家の物語。上巻からの続きとなる本書では、生者と死者、現実と幻想が一層交錯し、歴史と魂の行方が描かれていく。表紙には淡い夕空のもと、満開の桜のような花を咲かせる樹と椰子の並木道に佇む二人の人物、その傍らに身を伏せる豹が水彩で柔らかく描かれる。淡紅と若緑、夕焼けの橙が滲み合い、死と再生が同居する物語の幻想性を、穏やかな色面と素朴な筆致が静かに引き受けている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論