
AIによって生成・拡散される偽情報が政治や社会の信頼基盤をどのように侵食していくのか。各国要人へ助言してきた論者が、来るべき「あらゆる情報が信用できなくなる未来」を見据えて書き下ろした一冊。表紙は、鮮やかなオレンジの長い髪、赤い唇、白いマスク、宙を泳ぐ指先といった身体の断片を切り貼りし、背後に黒の極太欧文タイポグラフィを大胆に重ねたコラージュ構成。要素は鋭く切り抜かれ、人物像として像を結ぶ手前で破綻する。本物と偽物の継ぎ目が判別できなくなる主題そのものを、視覚の解像度として提示している。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論